はじめての化粧品開発 UV編
2009/08/15 はじめての化粧品開発 by Onda Masayo
UV(日焼け止め化粧品)
日差しがキラキラと輝きだし、心も軽くなる初夏。しかし一つだけ憂鬱なことが・・・。 それは「日焼け」。第四回目は、シミをつくりたくない女性達の必需品アイテム「日焼け止め化粧品」について考えていきたい。まずは、「UV(日焼け止め化粧品)」の基本的な肌への効果について押さえておこう。
■UV(日焼け止め化粧品)とは?
衣 服で隠せない、顔などの日焼けを防ぐ化粧品で、乳液、クリームタイプやファンデーション、美容液タイプなど種類が多くある。紫外線防止剤として紫外線を効 果的に吸収する「紫外線吸収剤」と紫外線を肌の上で有効に反射・散乱させる粉体の「紫外線散乱剤」の二種類が使われ、目的に合わせて種類と量を変えて配合 されている。
| UV−B(中波長紫外線または紫外線B波) | UV−A(長波長紫外線または紫外線A波) | |
| 波長 | 280〜315nm | 315〜400nm |
| 普通のガラス | 通りぬける。詳細下記に※1 ※ガラス越しではサンバーンをおこしにくいがサンタンはする。 |
通り抜ける。※ガラス越しでも、油断するとシミが濃くなったり、シワをつくる可能性がある。 |
| 雲 |
通りぬける。詳細下記に※2※ガラス越しではサンバーンをおこしにくいがサンタンはする。 |
通り抜ける。※曇った日でも、油断するとシミが濃くなったり、シワをつくる可能性がある。 |
| 肌への主な作用 | 肌に炎症をおこし、角質をはがして肌を乾燥させる。 | 表皮にあるメラニンを黒くし、シミを濃くする。 |
| 肌へのその他の作用 | メラノサイトを刺激し日焼けをつくりシミを濃くする。遺伝子を傷つけ新たなシミをつくる。 | 真皮まで到達してコラーゲンの分解酵素を増やし、真皮の繊維を壊す。シワの原因の一つとなる |
※1.ガラスはUV−Bも通す。よく、「家の中で日当たりのいい場所で寝ていたら 日焼けしてしまった。」などの事例があり、あるV−Bをカットできる。ちなみにガラスの厚さやUV加工ガラス等で異なってくるため、一概には言えな いが通常の学校の普通の窓ガラスで日焼けをするかの実験を行なったところ、約60%はUV−Bをカットされたが、約 40%は通ってしまった。クモリガラスの場合、ほぼUガラスは通すといわれている。
※2.曇りの日でもUV−Bによる日焼けは起こる。確かにUV−Bの総量は減るが、逆に曇りの日のほうが熱で皮膚が火傷状態になったり、熱さで熱中症になる危険もないのでマイルドに日焼けすることができてしまう。
| サンバーン | サンタン |
| 赤くなってヒリヒリと痛みを感じる。 強い日差しに当たった後、約半日〜2日 |
褐色になるが痛みはほとん感じない。 サンバーンを発症してから3〜4日後。約7日で最も黒くなる。 |
【SPFとPAとは?】
| SPF(サン・プロテクション・ファクターの略) | PA(プロテクション・グレイド・オブUVAの略) | |
| 目的 | UV—Bを防ぐ | UV—Bを防ぐ |
| 機能 | UV—Bによって皮膚に赤斑ができるまでの時間を紫外線防止用化粧品によって何も塗らない時の肌に比べて何倍にのばせるかを示したもの | UV−Aによって皮膚が黒化するのを何も塗らない時の肌に比べて何倍耐えられるかを示したもの。 |
| 効果の目安 |
・SPF 5〜10 |
PA+ 素肌のときの8倍以上 |
■「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」
紫外線を防ぐ用途で使われるのが「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」だ。「紫外線吸収剤」は合成によってつくられるものと、植物から抽出された紫外線吸収効果のある成分が配合されている。「紫外線散乱剤」には、紫外線を反射する効果のある酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)などの鉱物由来の粉体が主に配合されている。吸収剤だけでSPFやPAの数値を高くしようとすると、おのずと配合量を多くしなくてはならない為、それによる肌トラブルも少なからずあった。そのため、紫外線散乱剤が使われるようになってきた。
「紫外線吸収剤」は、紫外線のエネルギーを肌表面で吸収して肌へ入っていく量を少なくする働きがある。SPFやPA値が高いということはその分だけ多くの紫外線のエネルギーを吸収する容量があることを示している。「紫外線散乱剤」の場合は、例えば肌の上に鏡を置いたようなもので、鏡が割れていたり取り除かれない限り紫外線を跳ね返してくれる。
しかも、反射の働きを強めるために大量配合しても肌トラブルの心配がないのが特徴。
従来使われていた「紫外線散乱剤」の粉体は粒子の直径が大きく、いわゆる「白浮き」した状態になり不自然だったが、最近では粉体の直径が従来の10分の 1〜100分の1以下で20〜400nm(ナノメートル)の微粒子になっていたり、形状を薄片状にすることにより、白っぽくみえる「白浮き」をなくし、透 明感を高めることが可能になった。
■UV(日焼け止め化粧品)市場の動向は?
UV(日焼け止め化粧品)には、紫外線を防ぐだけでなく様々な付加価値が求められるようになってきている。 今シーズンは、夏ならではの肌悩みを改善しながら紫外線ケアもするという優れものの商品が次々と発売されている。夏は汗と一緒に潤い成分(NMF)が流出しやすくなり肌が渇きがちになる。さらに紫外線によってバリア機能が損なわれ水分蒸散が加速される。そのため、表面は汗でベタベタ肌の内側はカラカラといったインナードライ肌に陥り易い。
また、紫外線を浴びることで肌そのものの機能が低下するだけでなく肌内部に存在するヒアルロン酸が分解されやすくなってしまう。そのため紫外線を防御する だけでなくヒアルロン酸やリピジュアなどの美容成分を配合し、肌内部の潤いを長時間キープする機能をもたせた化粧品が発売されている。
毛穴に関しても、夏ならではの悩みがある。活発に分泌された皮脂が紫外線を浴びることで酸化し、黒ずみの原因となるだけでなく毛穴周りの肌に酸化ダメージを与え、毛穴目立ちを引き起こすこともあ る。そのため、皮脂吸着パウダーを配合し余分な皮脂を吸着しながら肌のテカリを防止し、毛穴目立ちをカバーする便利な化粧品も続々と開発されている。
UV(日焼け止め化粧品)開発のポイント
女性達が日焼け止め化粧品に求めるのは、なんといっても紫外線からどれだけ肌を守ってくれるか、ということ。かといって、守るだけではなくテクスチャーや仕上がりの美しさというものも「きっちりと」求められているのがポイント。美しく装いながら守るところは守る、ということが大事なのだ。 また、地球温暖化が進んでいる昨今、いつでもどこでも紫外線の脅威にさらされているといっても過言ではない。通常の日焼け止め化粧品としての形状(乳液状)のものだけでなく、スプレー形式でいつでもどこでもケアできるものや、ラメやパールを入れてボディーを美しくみせながらUVケアができるものなど、TPOにあわせたUVアイテムを展開していくことが求められている。





