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メイクしながらスキンケア!ミネラルコスメに注目 (2009.08.13)

テレビショッピングなどで頻繁にみかけた気になる化粧品、ミネラルメイクアップ(以下MMU)。
大きめのブラシでパウダーを顔に塗り、あっという間にベースメイクが完了するというもの!
原料は自然のものを使い、肌にもいい…となれば、早速試してみたい!
とは思っても、通販ではなかなか実物を見ることもできず。

アメリカのコスメ業界から発信され、QVCをメインの販売チャネルとしていたMMU。
今年5月にバラエティショップを中心に、大手企業のメイベリンニューヨークが参入したことで、「いつも気になっていた人達」に火がつき、急激に市場が活性化、一気に注目を集め始めました。
秋からも次々大手企業からMMUシリーズが発売されることも決まっており、今業界注目のミネラルコスメ。
オーガニック・自然化粧品やエコブームが続く昨今、成分が鉱物である「ミネラルコスメ」が”自然なもので肌にいい”と、注目を集めるのは当然の事のようですが、ミネラルコスメが注目される理由を検証し、今求められているものは何かを探ってみたいと思います。


ミネラルコスメとは?

ミネラルコスメとは天然のミネラル(鉱物)を主成分に作られる化粧品の総称のこと。
肌荒れの原因となっている三大アレルゲン(防腐剤、着色料、香料)を含まず無添加。
ピグメント(色)にも酸化鉄などの自然原料を使い、タール色素を排除。
ファンデーションの主成分は酸化チタンや酸化亜鉛のため、日焼け防止はもちろん、炎症を抑える効果もあるため、ニキビ肌の人でも使えます。
また、付け心地が軽くナチュラルな仕上がりで、光を反射させるために皴を目立たなくさせるなどの効果もあり、またクレンジングがし易いため、肌への負担が少ないことが特徴となっています。

元々、レーザー治療やケミカルピーリングの後の赤みをカバーする医療品として活用されていたMMU。
アメリカなどでは既にファンデーションの主流となっています。

◆キーワードは機能性とトレンド感
今、化粧品業界のトレンドはオーガニック・自然化粧品。
「肌に安全・安心」なのはもはや当たり前で、プラスαの要素が求められています。
このカテゴリーでベースメイクに求められていたもの。
それは”高い機能性”と”トレンド感”。
実際に、このカテゴリーで満足できるベースメイクに出会えなかった消費者がミネラルコスメに流れている、と言われています。

『自然成分でも高いメイクアップ効果が欲しい」『毛穴はふさぎたくないけれどカバー力は高い方がいい』
・・・といった、一見矛盾して見える消費者のニーズに、見事にはまったのがMMUだった、ということのようです。

相反する要求に応える…成熟した日本の消費者全てに共通して言えるキーワードかもしれません。

MMUシリーズを販売する各社が強調するのは、トレンド感。
メイクアップシリーズとしてトータルにMMUを展開。
モデルを起用するなど、イメージも重要視しています。

その化粧品を持っていることがかっこいい!と思わせることが大切なのです。

エシカルの開拓者であり、先駆者でもあるザ・ボディショップからもMMUシリーズが9月に発売されます。
パッケージには全て再生プラスチック、またはリサイクル可能な素材を使用。別売りの専用ブラシも動物毛を一切使わず、人工毛で製造という、アイデンティティが凝縮されたシリーズとなっています。

このように、プラスαの要素に企業のメッセージがこめられることも、今の時代のトレンド感を演出している一つの形かもしれません。

◆MMUの問題点
いい事尽くめの様に見えるMMU。
しかし、いくつかの疑問点が残っていることにも注意が必要です。

MMUには一定の基準がないため、ミネラルを使っていればケミカルを使用していても、MMUと表示が可能です。
肌トラブルを抱えた消費者もターゲットにしているならば、特に注意が必要なのではないでしょうか?

天然のミネラル…と言っても金や銅、酸化鉄などはアレルゲンとなることがあります。

MMUに使われることのある「ナノ粒子」にも、疑問を訴える声があることも留意しておくべきでしょう。パウダー状の化粧品の場合、「ナノ粒子」を吸い込み体内に入れてしまうことが多くなります。
体内に吸収されたナノ粒子化物質が引き起こす問題は研究中です。
この問題に関しては、「ナノ粒子」ではなく、粒子の大きい「マイクロ粒子」を使用するなどの対策を施すメーカーもあります。

MMUの願望

海外からの輸入のみであったMMUにも、次々と日本発のブランドが登場しています。
質感や付け心地、持ちに至るまで徹底して日本人好みにこだわったMMUブランドがすでに誕生しており、独自の技術や開発力で、今後は海外に向けて輸出ビジネスがスタートすると言われています。

しかしまだ一つのカテゴリーとして根付いていないのが現状です。

一昔前には、「酸化チタンや酸化鉄を無配合」を前面に出したルースパウダーが大ヒットしたことがあります。
“ノーカラーファンデーション”と言われ、カバーするのではなく、ソフトフォーカスで肌の透明感を自然な感じにして、肌のキメを細かくみせ、素肌の美しさを強調するといったものでした。
MMUと全く逆のコンセプトの商品です。

時代に合うコンセプトが何なのか。
それを探ることが大切なことであると同時に、
一過性のブームに終わらせず、一つのカテゴリーとして確立できるかは、
常にトレンドを発信し続け、
トータルメイクアップブランドとして定着できるか否か、の様です。


主なMMU成分の表示

  • 酸化亜鉛・・・白色の無機粉末でメイクアップベースとして使用されることが多い。弱酸性化粧水などに入れられる。酸化チタンの半分程度であるが、皮膚のカバー力や紫外線を拡散させる効果があり、安価なので多用されている。収れん作用や消炎作用もあるので、軟膏などの白色付けに使われてきた。皮膚の再生を助け傷の治りを促進する。
  • 酸化チタン・・・白色の無機粉末でメイクアップベースとして使用されることが多い。
    日焼け止め化粧品に紫外線散乱剤として用いられる。肌の凹凸をカバーする被覆力がある。光触媒作用があり、接触した有機物などを分解し、消臭・殺菌する。材料単価が高いため、酸化亜鉛とまぜて使うことが多い。
  • 酸化鉄・・・鉄の酸化物の粉末で、赤酸化鉄、黄酸化鉄、黒酸化鉄の3種類。天然の着色顔料として使用される。においはなく、耐熱、耐光、耐薬品性に優れている。
  • カオリン・・・天然に産出する粘土鉱物を粉砕して作られる、白色〜灰色粉末で、アロマテラピーやエステパックのベースとなる。細かくさらっとした粒子。吸収・吸着作用により肌や体内の老廃物を取り除き、代謝を活発にし、血行をよくするなどの効果も期待される。また、殺菌作用により炎症を抑える効果もある。
  • シリカ・・・岩石から採れる細かい無機物の粉末。吸水性が高く、余分な皮脂や汗などを吸収し、化粧崩れやベタつきを防ぐ。ファンデーションなどのパウダーに配合される。
  • オキシ塩化ビスマス・・・白色の光沢顔料。パールのような光沢感を出すために用いられる。口紅やアイシャドウなどの固形製品に適している。
  • マイカ・・・雲母が主成分のマイカ。日本名「ヒル石」と呼ばれるのは、一度肌にフィットしたら離れず、化粧崩れしにくいから。粉状化粧品のメイクアップベースとして用いられる。粉末にした際キラキラ光る。粒子が毛穴よりも大きいので、入り込むこともなく美肌を演出。