ペット市場のポテンシャル (2009.08.13)

マニキュア、エクステンション(つけ毛)、ミストサウナ、コタツに車椅子…。
これらは全てペット用の商品です。
犬向けの飲料の自動販売機まで登場する昨今。
今や一兆円市場とも言われるペット市場。
背景には人間関係の希薄化や少子高齢化などが関係しているとみられ、
「ペットの家族化」現象が進行しています。
年々拡大、多様化する市場。
今回はそのポテンシャルをさぐってみます。


キーワードは『室内飼育』、『小型犬・猫(生体小型化)』、『高齢化』、『安心安全』、『原材料高騰』。

数年前のテレビCMなどでチワワが人気となったことや、首都圏を中心にペット飼育が可能なマンションが増え、単身世帯の増加などから、近年は小型犬がブームになっています。
ジャパンケンネルクラブが公表している犬種別犬籍登録数によると、2007年のトップはミニチュアダックスフンド。2位はチワワで、3位はトイプードルでした。

小型化は、室内飼育の増加に繋がります。

まず、ペットフード。
小型化に伴い、給餌量の減少がペットフード市場を圧迫したもののエコノミータイプからプレミアムフードへの需要シフトが金額市場を押し上げる格好となり、また、室内飼育の増加を背景に、インドア専用や肥満防止などの機能性フードなど新たな市場が立ち上がっています。
原材料の高騰で、値上げしやすいプレミアムフードへのシフトが加速したこともありますが、昨年、毒物混入によるペットフードのリコール問題が北米を発端に世界規模へ拡大し、国内でも有力ブランドがリコールの対象となるなど、ペットフードの安全性が問われる時代となっていることが大きな理由の一つなのでしょう。

人の食の安全さえ問われる今。
ペットの食べ物にも気を遣うというのは当然なのかもしれません。

ペットフードについても一定の安全基準を設けようと、有害物質を含む製品の製造・輸入・販売などを禁じる法案が閣議決定されました。
今まで厳密な法規制がなかったことも、逆に産地などの表示がなされているプレミアムフードに注目が集まった原因なのではないでしょうか?

ペットの室内飼育の増加に伴い、昨年のペットケア用品市場は前年比2.9%増と成長しました。
室内飼育で必需品の猫砂と、トイレ用シーツが市場を拡大しています。


室内飼育で、飼い主の衛生意識が高まり、ウェットティッシュの売り上げも好調。
この流れで、消臭剤や、健康面やしつけに対しての関連用品、ボディタオル、しつけ剤、デンタルケア用品などの高成長が期待されています。

小型化が進み、どこへでも連れて歩ける様になり、それに伴いペット同伴が可能な商業施設も急速に広がっています。
ペットにおいしい料理を食べさせ、おしゃれな洋服やアクセサリーを買い与え、きれいに毛をカットする…など、人間同様のライフスタイルを送ろうとする飼い主が増えているのです。
単身世帯での飼育が増えたこと、子育てを終えた夫婦が子供の代わりとしてペットを飼い始めるなど、ペットを「子供」や「パートナー」と見なす擬人化、「コンパニオン・アニマル(伴侶動物)化」が進んでおり、これが周辺産業成長の原動力となっています。

例えば、旅行関連では、ペット同伴のホテルが続々登場しています。
ドッグラン、温泉施設、遊戯施設など、施設の充実も兼ねています。

擬人化により、共に過ごす時間が増えたことにより、しつけの必要性も高まり、しつけ教室を行う施設も増えてきました。

新規参入する企業も増えています。
少子化で苦戦していた子供服メーカーや高級ブランドなどがその一例です。

室内飼いの増加により、ペット専用消臭剤で米P&Gが「ペット用ファブリーズ」を発売し、一気に市場を拡大。
昨年は小林製薬もペット用消臭剤を発売しました。

参入企業は増え続けていますが、飼育頭数は限られているため、企業間競争が激化している分野も少なくありません。

まだまだ発展途上の市場でもありますので、淘汰されるものもあり、そして、これから開拓できる可能性も秘めています。
勝ち残るためにはサービスの充実など、ソフト面の向上が期待されます。

高機能への期待
生活用品全般に、大型市場は既に成熟段階に差し掛かり、比較的低水準な伸長率となっていますが、ベッドや玩具、トイレ、キャリーなどが有望市場となっています。
※玩具市場では「知育玩具」や「デンタル玩具」、トイレ市場では「システムトイレ」、キャリー市場では「カート」など。
機能性の高い製品が新たに形成されたことが市場の拡大の原因ですが、高機能化は更にすすむとみられており、今後も市場の拡大が期待されています。

今後も社会は高齢化がすすみ、単身世帯も増える傾向にあり、ペットをパートナーとする擬人化も進むと考えられています。

目覚しいのは、健康や美容に関する分野のサービスで、サービスや商品が続々と登場しています。

東京・六本木「東京ミッドタウン」に登場した、「ドッグ・デイズ」。

犬が健康的に生活を送れるためのグッズやサービスだけを集め、有機農法を使ったペットフードや岩盤浴、併設された動物病院を利用した人間並みの「犬ドック」が人気だそうです。

ペットに月6万〜7万円をかける人もいるといいます。

今後まだまだ伸びしろのある市場であることは間違いありません。