売れない時代のカラー戦略 (2009.08.15)

不況のときに流行するカラーはベーシックカラー。
特にグレーや茶色と言われています。
これは何にでも合わせやすい色で、現在持っているものにコーディネートしやすいというのが大きな理由でしょう。
必要最低限の買い物をするときに、選択しやすいカラーということです。
100年に一度といわれる現在の大不況。
色使いを変えるだけで、商品に新鮮味を与えられるカラー戦略は、
デザイン開発や広告費を節約する今だからこそ、ニーズが高まっているのではないでしょうか。

今回は現在のカラートレンドを検証しながら、その効果と消費者の心理を探ってみたいと思います。


カラーインスピレーション

2009年春夏向けニューヨークコレクションでは、ヌードカラー、スキンカラーといわれる白から淡いトーンのピンクやベージュ系が多く登場しました。
これらのカラーから連想されるインスピレーションは、「自然、トラッド」そして「優しさ」ではないでしょうか。

ファッションでもそれらを連想させる、ナチュラルなボヘミアンやエアリーな素材のワンピースやチュニックなどが流行しています。
自然素材色には、「安心感」が、そしてベーシックであるという「正統」「懐かしさ」を連想させるカラーモチーフです。
不安な世の中だからこそ、この落ち着きを感じさせるカラーインスピレーションが人に与える影響は大きいのでしょう。
冒険よりも、安定したもの。
このカラーインスピレーションを利用したものづくりは、ファッションだけでなく、例えば、家電やインテリアなどにも使えるのではないでしょうか。


「元気」がトレンド

一方、ファッションカラーではアクセントカラーが活発です。
春夏ではピンク、グリーン、パープル、近年では珍しいイエロー、といった多彩なビビッドカラーが出揃いました。ビビッドなパンプスや小物使いが流行中です。
これは携帯電話やデジカメなど小型家電商品などにも見られています。
これらのカラーはまさに「元気さ」のイメージ。

ポップで楽しくて、それらの小物を使っているだけで元気が出る効果もありそうです。
じっと我慢して嵐が過ぎ去るのを待つだけではない、元気に前向きに進みたい、という気持ちにフィットするのではないでしょうか。

200万円をきり話題になったホンダのハイブリット車「インサイト」も、今までのエコを感じさせるカラーというよりは、ミラノレッドや、ブリリアントスカイメタリックなどファッショナブルでスマートなカラーが選択されています。
エコこそ元気にファッショナブルに展開する時期になっており、この分野でのカラー戦略は多いに重要な要素となるでしょう。

無意識に選ぶカラーにはその時々の人々の潜在意識まで垣間見ることができそうです。
現在人々が不安定の中で無意識に求めているものが見えてくる様な気がしました。