トップトレンド情報はじめての化粧品開発クレンジング(メーク落とし)編

クレンジング(メーク落とし)編 (2009.08.15)

肌への道は洗顔からといわれるが、実際は深く考えずにいつもと同じものを使っているという人も多いのではないだろうか。第五回目は、化粧をしている女性の必須アイテム「クレンジング(メーク落とし)」について考えていきたい。まずは、「UV(日焼け止め化粧品)」の基本的な肌への効果について押さえておこう。


クレンジング(メーク落とし)とは?

ファンデーションやパウダー、チーク、アイシャドウなどのメークアップ化粧品には、顔料などの色素の他に、皮膚との親和性を高め、化粧もちを良くするために油脂やロウ、シリコーン油やシリコーン樹脂などの原料が配合されている。そのため、石鹸や洗顔クリームでは落とすことができない。クレンジングには、これらの成分をすっきりと落とすため、メークアップと同じ系統の油性原料や乳化剤などが配合されているのが大きな特徴である。


クレンジング(メーク落とし)の主な種類

・クリーム、ペースト(クレンジングクリーム)
溶解性の高い流動パラフィンやスクワラン、高級脂肪酸エステルなどの液体油を用いて、水中油型に乳化したものが主流になっている。油分をゲル化(固化)させたタイプも洗浄力が高い。ハードメイク用。

・乳液(クレンジングミルク)
水中油型に乳化したもの。クレンジングクリームより使用後の感触がさっぱりしている為、使いやすいのが特徴。

・液状(クレンジングローション)
非イオン性界面活性剤、アルコール、保湿剤の配合量が多い洗浄用化粧水。コットン使用のため、物理的ふきとり効果もある。ライトメーク用。

・ジェル(クレンジングジェル)
水中油型に乳化したものや、液晶を利用したもの、水溶性高分子によってゲル化したものなど様々なタイプがある。クレンジング力が高く、洗い流し性がよいものとして、液晶タイプが注目されている。

・オイル(クレンジングオイル)
耐水性の高いメークアップ剤の利用が増えるのに伴い、これに適応した洗顔料として近年人気が高い。一般に油性成分に界面活性剤を配合した処方であるため、肌上の油性汚れを効果的に溶解・分散できる。洗い流し時には、クレンジングクリーム同様に水中油型の乳化状態となり、汚れを含んだ油性成分が水中に分散することで汚れを落とす。

・パック(クレンジングマスク)
水溶性高分子を使用したピールオフタイプのマスク。緊張感が強く、剥離時に皮膚表面や毛穴の汚れを除去する。


目的別専用クレンジング

・ウォータープルーフ用クレンジング
メークアップ製品にはウォータープルーフ(耐水性)が多くなってきた。そこで開発されたのが「ウォータープルーフ用クレンジング」夏用やスポーツ用のものは、耐汗・耐水性に優れているものが多い。親油化色材を使用したり、原料成分混合後さらに親油化することで皮膚への付着性を強くし、発汗や皮脂の分泌による化粧崩れを起こしにくくしている。そのため専用のクレンジングを発売しているメーカーもみられる。油成分に低粘度流動パラフィン、高級脂肪酸エステル、溶解力の高いイソパラフィンなどを配合したものでクリームや乳液、ローションなどがある。使用方法は通常のクレンジングと同じ。

・アイメークアップリムーバー
落ちにくく作られている、アイライナーやマスカラを落とす専用クレンジング。落ちにくいウォータープルーフタイプのアイメイクには専用のクレンジングを使うことで目元の負担を減らすことができる。 同じように落ちにくい口紅用のリムーバーも発売されている。

・ウエットティッシュタイプ
水が使えない屋外での使用や、帰宅後にすぐ化粧を落としたい消費者ニーズに答えて開発された製品。生活習慣に合わせて生まれた製品と言える。


クレンジング(メーク落とし)市場の動向は?

メーク落としの市場規模は2003年に491億円であったのに対し、2007年は540億円と徐々にではあるが成長してきている。2007年の各種剤型の金額規模でのシェアを見てみると、クリーム29.5%(対2003年27.4%)、オイル26.1%(対2003年25.6%)、ジェル14.6%(対2003年18.6%)、シート13.2%(対2003年14.3%)、リキッド・ローション7.8%(対2003年2.1%)となっている。

濃い目のメイクが流行っていることも関連していると思われるが、クリーム、オイルの形状が人気のようだ。そのオイルクレンジングで、大手から新たなアプローチに成功した製品が発売された。「オイル泡クレンジング」である。クレンジング機能と肌に優しい洗顔機能の両立を可能にした製品である。消費者の間では、オイルに対して刺激が強いと思っている層もいる。

そんなオイルを使うことに二の足を踏んでいた女性達に高いメイク落ちと優しさを一つにした「オイル泡クレンジング」はまさに欲しかった一品となることだろう。

何層にもなった泡状のオイル(オイル泡)で肌の上をマッサージすることで泡がはじけ(独自のスパークリング技術を採用)、オイル泡がメイク汚れを溶かし込んで落とすというものだ。洗顔料の市場でも「泡立ち」は大きなキーワードとなっており消費者が商品を選ぶ際の一つの、目安となっている。クレンジング料にも、洗顔料同様の優しさの訴求を求めると「泡」に行き着いたということかもしれない。

クレンジング料と洗顔料の距離が短くなってきている、垣根がなくなってきているというのは、今後のクレンジング開発において参考にしたい現象である。「泡=優しい」というイメージから「泡なのにしっかり落ちる」というイメージを消費者にどこまでしっかりと伝えれるかが、市場での新たな場所を築けるかの鍵となってくるだろう。


クレンジング(メーク落とし)開発のポイント!

女性の「美しくなりたい」と思う欲望は限りがなく、どんどんエスカレートしていくばかりである。 発色がよく、ノビがよく、モチもいいという良いことだらけのメイク品が発売される中、それらをきっちりと落としきれるようなクレンジングが開発されているのか、と疑問に思うことがある。 綺麗に着飾った分、きっちりと化粧を落として素肌に戻らなければ肌にとっての負担は増えるばかりである。 メイクアイテムの機能向上にクレンジングがすばやく対応し、追いついていくことが求められる。 「簡単に完璧に落とす」ということが、クレンジングに求められる根本的な要望であり、一番難しい課題でもある。ただ、それがきっちりとできる製品を開発できたなら女性達の信頼を集め、なくてはならない「溺愛コスメ」となりうる可能性をクレンジング製品は秘めている。

虎の巻格言:「いい女は華麗に咲いてきっちり落とす!」


参考図書:コスメチックQ&A 日本化粧品工業連合会編
美容最前線 ビューティトレンド 霜川忠正著
フレグランスジャーナル 2008年12月号