近年注目の「クリーンビューティ」について、実は、具体的にどういうものなのか分からない…という方も多いのではないでしょうか。今回は最新の市場動向とともに“化粧品開発者”目線で改めてご紹介します。

クリーンビューティとサステナブルの違いとは?
「クリーンビューティ」が話題になった背景には、2015年の国連サミットで決められた「SDGs(持続可能な開発目標)を達成して「サステナブル(持続可能)な社会を目指す」という世界的に大きな流れがあります。
この「クリーンビューティ」の定義については、実は明確なものが定められているわけではなく、各ブランドがそれぞれ独自のコンセプトを打ち出しているというのが現状です。
一般的に見られるクリーンビューティコスメの要素として多かったものは、下記のようなポイントが挙げられます。
- 地球環境に配慮している(動物実験をしない、パッケージリサイクル、CO2削減への取り組みなど)
- 人にやさしい(使用する原料がナチュラルかケミカルかに関わらず、人体に悪影響を及ぼさない)
- 透明性があること(製造過程や、原料のトレーサビリティを明確にするなど)
「クリーンビューティ」とは、このように元々サステナブルな要素も含んだフレキシブルな美容思想であることもあり、最近では“サステナブル”というワードのみで訴求される様子も見受けられます。

自社で定義を考えることは難しいと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、逆に考えると、各社それぞれの理念・定義に基づき、独自のアプローチが可能な点が魅力的とも言えます。
近年のクリーンビューティ市場動向
2020年頃に大手から発売されて話題となったクリーンビューティブランドは引き続き注目されつつも、先に述べたように「サステナブル」など他のワードへの遷移も感じられます。それは「クリーンビューティ」の需要が低くなっているというよりか、企業としてのサステナブルな取り組みが明らかに増加したことで、商品開発を行う上でもある程度の“サステナブル+化粧品(=クリーンビューティ)”要素を盛り込むことが当たり前になりつつあるとも考えられそうです。


また、以前からあるクリーンビューティブランドにおいては、ホームページやSNS、動画など、Z世代向けのPR手法を活用しているブランドが多く見られ、「クリーンビューティ」とZ世代の親和性を強く感じました。今後のメインターゲットとして期待されます。
そして、商品のアイテム構成を見ていくと、コロナ禍を経て「ハンドクリーム」「バーム」「フレグランスミスト」などのラインナップが増えた印象を受けます。これは、クリーンビューティブランドに限らず言えることかもしれませんが、度重なる消毒による手肌のケアや心身のリフレッシュへのニーズが影響していると考えられます。

一方で、手に取りやすいアイテムの方が、新興ブランドや若年層向けのトレンドアイテムの開発と相性が良いという面もあるかもしれません。
次世代向けクリーンビューティ/サステナブル関連の商品開発のヒント
開発のヒント① 使用アイテムを集約する
アイテム数を絞るだけで「容器プラスチック量の削減」になるだけでなく、洗い流し系などのアイテムによっては「水の使用量削減」も訴求できます。さらに、「時短」まで訴求できるため、Z世代への「タイパ訴求」にもおすすめです。
おすすめのホシケミカルズ開発品
2STEPヘアケア
コンディショナーが不要に感じるほど、なめらかな指通りで、しっとり仕上がる独自のアミノ酸系シャンプーと、洗い流さないヘアオイルを合わせて使用することで、たった2ステップのヘアケアを実現しています。
開発のヒント② サステナブル成分の配合
近年、原料開発の段階からサステナブルな活動が盛んになってきました。まずは、PR成分からサステナブルストーリーのあるものを採用するだけでも、クリーンビューティへの取り組みの一歩となるのでおすすめです。
おすすめの原料
開発のヒント③ホシケミ クリーンビューティシリーズの活用
悩ましいクリーンビューティの定義をホシケミカルズで設定し、後はお好みのPR成分を選ぶだけ!という最短で簡単にトレンドアイテムの開発を可能にするベース処方の紹介を2023年早春よりスタートしました。クリーンビューティの開発を検討している方はぜひお問い合わせください。
まとめ
サステナブルへの関心が高まっている昨今、“クリーンビューティ”は外せないキーワードになっています。
しかし、明確な定義があるわけではない為、各社が独自に理念や定義をもとにコンセプトを打ち出すことが求められます。サステナブルな要素も包括した美容思想を構築することは、開発担当者の悩みどころであり、開発の山でもあると思います。
新たに発表されたホシケミカルズの“クリーンビューティシリーズ”は、その部分をサポートしてくれる画期的なシリーズだと感じました。時流をつかんだ商品で、タイミングを逸することなく発売していく一助となることでしょう。
(執筆者:恩田雅世)
そこでキャッチした話題やホットなテーマについて、外部のコスメティックプランナー恩田雅世さんと定期的にトーク&ディスカッションする時間を設けています。“OEM企業ならではの視点”で深掘りしたり、ブームの背景を探り商品やトレンドを分析、さらには、少し先の未来を予測してみたり…!4名の座談会を元に記事化しています。
登場人物プロフィール
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恩田雅世 | ホシケミカルズ広報S | ホシケミカルズ商品企画Y | ホシケミカルズ販促M |
コスメティックプランナー。数社の化粧品メーカーで化粧品の企画・開発に携わり独立。現在、フリーランスとして「ベルサイユのばらコスメ」開発プロジェクトの他、様々な化粧品の企画プロデュースに携わっている。コスメと女性心理に関する記事も執筆している。 https://onda-media.com/ |
ヘルスケアアイテムのBtoC広報を経て、 販売時の切り口や訴求点とともに、理性(技術や理論)と感性( |
ホシケミカルズでは異色の化粧品メーカー研究部門出身という企画 化学の豊富な知識や知見に基づき、 |
販促担当としてメルマガや動画の撮影& 前職での複数のソーシャルメディア運営実績を活かし、 |