いざ「化粧品を創りたい!」と思っても、数多あるOEMメーカーからどこの会社を選んだらいいのか、どんなアイテムを創ったらいいのか、頭を抱える企画担当者が多いのではないでしょうか。
そこでコスメティックプランナー恩田雅世が、外部ならではの視点でホシケミカルズ担当者に切り込み、商品企画のヒントとなるようなトレンド情報や美容の潮流、さらにOEM/ODMの深部にぐぐっと迫る対談企画。他では聞けない裏話もこっそり聞いちゃいます!
登場人物プロフィール
恩田雅世 | ホシケミカルズ広報S | ホシケミカルズ商品企画Y |
コスメティックプランナー。数社の化粧品メーカーで化粧品の企画・開発に携わり独立。現在、フリーランスとして「ベルサイユのばらコスメ」開発プロジェクトの他、様々な化粧品の企画プロデュースに携わっている。コスメと女性心理に関する記事も執筆している。 https://onda-media.com/ |
ヘルスケアアイテムのBtoC広報を経て、 販売時の切り口や訴求点とともに、理性(技術や理論)と感性( |
ホシケミカルズでは異色の化粧品メーカー研究部門出身という企画 化学の豊富な知識や知見に基づき、 |
2020年と比べ、生活様式に大きな変化はなかったものの、心理的にはコロナ終息後の“マスクを外した後の世界”という少し先の未来を視野に入れた動きが見られたと感じます。
確かに、2021年はコロナ問題が発生した2020年よりもコロナを前向きに受け入れ、不自由ながらも今の状況に順応し美容を楽しむマインドが醸成されたように思います。
トレンドを見てみると、その世相が反映されているような結果になりました。
それでは、具体的なホットトピックを教えてください。
一番は、マスク対応のコスメが多く発売されたことでしょうか。それを象徴するかのように「NEOマスクメイク」というワードも生まれました。
私たちの日常は、マスクが常態化した生活になり2年が過ぎました。
そうした生活にフィットしたメイク法やアイテムが2021年は人気になりましたね。
マスクにつきにくいリップやファンデ、湿気に強いマスカラなど機能的にマスク対応の商品が流行りましたが、メイク品の使い方自体も、“ベースメイクは崩れにくい下地のみ”や“下地とコンシーラ”“下地にパウダー仕上げ”等、マスクに色移りしないことを基軸に選ぶアイテムが変化しています。
2020年は、ほぼ不織布の白いマスクだけだったのが、2021年は肌を綺麗にみせるマスクが出てきたり、カラバリが豊富になりファッションと合わせてコーディネートするようになったりと、マスクをした自分を良く見せたいというふうに消費者ニーズが変化してきているのを感じます。
マスクをすることを受け入れたうえで、生活を楽しむという前向きなマインドを感じますね。
ちなみに、御社においてコロナ禍で人気のあった商材はありますか?
UV+美白ケア+化粧下地を兼ね備えた「薬用美白UVプロテクション」がウイズコロナコスメとして好評でした。
下地として塗るだけで、UV・美白効果もあるのは、まさにマスク対応の商品ですね。
その他、成分などで今年目立ったキーワードはありますか?
化粧品に限らない美容ワードとしては、「シカコスメ(ツボクサエキス)」「シワ改善成分」「美容医療」(※)などが印象的でしたね。
コロナ禍で、肌の不調や肌荒れが常態化している人も多く、確かな効果が期待できそうなスキンケアトレンドにマッチしたのでしょうね。
美容医療(※)に関して弊社は対応外ですが、マスクで顔が隠せる状況やテレワークの普及により、ダウンタイムを気にせずにチャレンジできるということもあり、積極的に施術を受ける人が増えたのだと思います。
同じようなマインドが化粧品のトレンドにもみられ、人にあまり会わない今のうちにコンプレックスをケアしようというお悩み商材の育毛剤や頭皮ケア、成分や使用感にこだわった高級なヘアケアも市場では需要が伸びたようですね。
特に頭皮ケアは頭・毛髪ケア目的に止まらず、頭皮と顔は繋がっているということで、顔のたるみケアのために頭皮からケアをしよう、という考え方もだいぶ浸透してきたように思います。
確かに、頭皮ケアで顔のたるみが引きあがると謳っている美容家電(※)がヒットしましたよね。
美容家電(※)の伸長を見ると、お家時間の増加やおこもり美容ニーズを的確にキャッチし商品化しているメーカーが伸びているという印象です。
その他の2021年のトレンドとして、コロナ禍による肌荒れで「メンズコスメ」も浸透し、男性がスキンケアをするのがこれまで以上に当たり前になった気がします。
“ジェンダーレスコスメ”と言われるような、シンプルなデザインや肌質を選ばない使い心地など、性別の垣根を超えた訴求ブランドも注目されました。
男女問わず、このコロナ禍を利用してきちんとケアしていこう、根本からケアしようという流れになってきていますね。
商品(モノ)以外のサービス面ではどのようなものが流行ったでしょうか?
コロナ禍で対面でのカウンセリングがなかなかできない状況もあり、ネット上で「○○診断」(※)のように消費者と商品をマッチングさせるサービスが広がってきました。
あらゆるものをネットで購入する時代、買い物の精度をあげるためにも診断が購入の後押しになっていますよね。
ただでさえコロナ禍でメイク品が売れない状況が続いているので、気軽にタッチアップできない、テスターが試せないという状況下において、診断サービスが購入の糸口になっているのは良いことですね。
対面販売を基本とするデパコスブランドでも、WEBカウンセリングシステム導入が進んだのも印象的な1年でした。
また、化粧品専門店においてはLINEの活用有無で若年層取り込みの明暗が別れたとも言われています。
時代や情勢に合わせた対応力が重要ですね。
さて、2021年流行ったサービスというと、もうひとつもうひとつ「フェムテック」(※)があげられます。
今年始めの予測記事でも取り上げましたが、排卵予測や、生理予測など女性の抱える様々な課題に対して、テクノロジーを駆使して改善していくようなサービスをより多くの女性が利用するようになっていきているようです。
フェムテック商品としては、吸水性ショーツが国内外で発売されて話題になりました。
美容業界でも2022年も引き続き商品やサービスが増えていきそうなので、注目していきたいですね。
それでは、総括すると2021年はどのような年だったと思いますか?
2021年は、長引くコロナ禍により誰もがセルフメンテナンスの重要性を実感した年と言えると思います。
身心をケアして健康な状態を保つこと、さらには地球全体の健全化まで思いを馳せるような“自分にも地球にも優しく”というマインドは、SDGs・環境配慮への機運もあり2022年も引き続き継続していくのではないかと思います。
2022年の美容市場はどうなっていくでしょうか?
コロナ前に比べあまりしっかりとしたメイクをしない生活を長期間体験したことで、高品質のスキンケアやスキンケア感のある下地などの人気は定番化していくのではないでしょうか。
ただその一方で、逆に、メイクで気持ちが切り替わる、気分が上がることを再確認していく人も2022年は増えていく(すでに戻り始めている)のではないかとも思います。
マスクを外す生活がやってきたとしても、いきなりバッチリメークをするようなマインドにはならないかもしれないですが、ベースメイクは素肌に近いナチュラル肌、そこにお気に入りのリップやカラーマスカラなど、一点気分のあがるものを投入するといった感じでメイクを楽しむようになるかもしれないですね。
個人的には2022年は“ココロが喜ぶ”がキーワードだと思っています。
誰かのために綺麗になるのではなくて、まずは自分が心地よくいれる空間、スキンケア、メイクを大切にして、心の健康・豊かさの先にある本当の美しさを手に入れてほしいなと感じています。
本日は、2021年の振り返りから2022年に予測まで幅広くお聞きすることが出来ました。ありがとうございました。
記事で紹介した各アイテムについてお気軽にご相談ください。
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