化粧品の国内市場規模は、新型コロナ収束による外出機会の増加とインバウンド需要の回復を追い風とし、2024年にはコロナ前(2019年)を上回り、2025年以降も伸長が見込まれています。さらに、美容意識の高まりによる高付加価値化や原材料価格の高騰などにより、商品の高単価化が進んだことも、市場拡大を後押しする要因となっています。
こうした市場環境を踏まえ、本記事ではOEMメーカーならではの独自目線で2026年のビューティ業界注目トレンドを予測しました。

幅広いトレンド情報をお伝えするため、当社で取り扱いがない製品も記事中に含まれている場合があります。予めご了承ください。
出展:週刊粧業 シンクタンクが分析する2026年国内化粧品市場、インバウンドと高付加価値化が牽引
トレンド予測① リカバリーコスメ
2025年の流行語大賞にもノミネートされた「リカバリーウェア」。こちらは衣料品のことですが、コスメへの広がりにも注目です。酷暑や寒暖差などの過酷環境下に限らず、日常生活でなんとなく疲労を感じている人は多く、コスメの睡眠美容・ナイトケアトレンドの拡大からも需要の高さが伺えます。
肌を回復してくれるような体感のほか、リカバリーウェアと似たメカニズムの美容作用など、「リカバリー」のイメージで訴求するコスメの開発が活発になるのではないでしょうか。


リカバリーの直訳である「回復」は薬機法により使用できないため、使用感はもちろん、いかに合法的に広告で“回復を匂わせるか”がリカバリーコスメ開発においてポイントになりそうです。
トレンド予測② アンチエイジングからロンジェビティの時代へ
「ロンジェビティ(Longevity)」の直訳は「長寿」ですが、近年は“健康的で人生を長く楽しむこと”という概念で使われるようになりました。美容業界では「ロンジェビティ」へのアプローチとして“老化細胞除去”がキーワードとなり、2025年は画期的なエイジングケアとして老化細胞(ゾンビ細胞)除去技術を活用した大手メーカーの美容液や機能性表示食品が市場で話題となりました。
「ロンジェビティ」需要の背景としては、人口の高齢化だけなく、美容医療も含めた“美容疲れ”もあると考えられ、シニア層に限らず若年層においても引き合いが高まりそうです。
タイのバンコクで開催されたアジア太平洋地域最大の化粧品原料の国際展示会であるin-cosmetics Asia 2025においても、「ロンジェビティ」訴求の化粧品原料が増加傾向であり、今後も関連コスメの開発が期待されます。

なお、老化細胞除去は「ロンジェビティ」へのアプローチのひとつにすぎません。その他にも、老化を進める活性酸素へのアプローチなど様々な手法が考えられます。活性酸素を無効化する水素サプリ・コスメも「ロンジェビティアイテム」としておすすめです。



実は私たちの年齢には、生まれてからの経過年月を表す変更不可能な“暦年齢”と、生活習慣や遺伝などによって異なる健康状態や老化の進み具合を反映した“生物学的年齢”の2種類があります。美容業界だけでなく医療分野でも後者の“生物学的年齢”にアプローチする研究が注目されています。
トレンド予測③ 毛穴ケア戦国時代
クレンジングや洗顔などによる「毛穴の汚れを落とす」アプローチが主流の時代から、近年は美容液などのリーブオンアイテムにおける「美容成分(ビタミンCなど)」「収れん作用」を特長とする処方設計や、「うるおいで毛穴を目立たなくする」という新たな効果コンセプトで広がりを見せ、この1年でも多くの毛穴訴求商品が発売されました。背景としては、元々潜在的にあった毛穴ケアニーズに加え、酷暑で毛穴関連の悩みが増えたことも考えられます。
今後ますます毛穴訴求の商品は増えていくと予想され、2026年以降にこの高需要レッドオーシャンで生き残るためには、科学的根拠に基づいた確かな体感が得られる商品作りが不可欠になりそうです。
当社でも体感のある毛穴ケアアイテムを鋭意研究開発中のため、ご興味がありましたらお問い合わせください。
トレンド予測④ 機能性“匂わせ”フレグランスアイテム
近年、日本国内のフレグランス市場は高い成長率を維持しており、ここ1年だけでも香水以外の化粧品やトイレタリー分野で“香りを楽しむ”商品が豊作でした。2025年はスキンケアやヘアケアなどのコスメ分野はもちろん、飲料・食品・日用品など様々な分野で“香り”をコンセプトにした商品や体験型イベントも見られ、“香り”を切り口にした市場が活発化していることが分かります。
2026年以降も続くであろうこの香り人気の背景には、アロマテラピーでも知られているような精神的・身体的な香りの機能性もあると考えられますが、残念ながら化粧品で直接的に訴求することは認められていません。今後香りをコンセプトとしたブランドを検討する場合は、いかに香りに期待できる機能性を“匂わせ”られるかが商品開発をする上で大切になりそうです。

トレンド予測⑤ コスメ開発のAI化
2025年はAIにより人の手では対応不可能な数の検証を重ねた処方を活用した商品や、商品企画やマーケティングの段階からAIを取り入れたサービスの提供など、AI技術が化粧品業界の実際の開発現場にまで浸透し始めているのを実感した1年でした。
実際にAI技術を活用できる領域にはまだ限りがありますが、AIによって最適化され効果性を高めた化粧品原料の登場や、高精度の画像解析技術を活用した肌診断、パーソナライズ提案など、AIの要素を取り入れた化粧品開発は着実に進展しています。
その上で、AIという注目度の高いキーワードを単なる話題性に終わらせるのではなく、効果への期待感を喚起するアイキャッチとして活かしながら、人ならではの感性や美意識と掛け合わせていく、化粧品業界ならではのAIコンセプトが今後注目を集めるのではないでしょうか。
トレンド予測⑥ ウォーターレスからフェーズフリーコスメへ
昨年のトレンド予測(2025年1月公開)で “宇宙コスメ(過酷環境コスメ)“を取り上げた後、大手メーカーから研究開発された“水に頼らない”次世代スキンケアが国際宇宙ステーション(ISS)に搭載されて話題になりました。
宇宙に限らず、地球においても貴重な水資源を大切にするという「ウォーターレス」の考えは、今後はさらに「フェーズフリー」のキーワードとともに深化していくと予想されます。
「フェーズフリー」品とは、日常生活で役に立つのはもちろん、 非常時やもしもの際にも役立つ商品・サービス・アイデアのことで、いざという時の使用期限切れなどを防いで効率的に災害に備える“ローリングストック(日常備蓄)”としても有益です。
化粧品としてはふき取りクレンジングや、ドライシャンプーなどの清浄アイテムがわかりやすい例ですが、災害時のトイレ・衛生問題などを想定してデリケートゾーン用のふき取りデオドラントミストなども、酷暑季節の日常的な需要と合わせるなどして重宝しそうです

そして、元々イメージしやすい「ウォーターレス」の環境配慮型訴求については、化粧品を消費者が“使用する際の水の量を削減”する洗い流し系のオールインワンアイテムなどにも引き続き注目です。このタイプは、家事・仕事が忙しい層や風呂キャンセル界隈との相性も良さそうです。


「フェーズフリー」は2014年に提唱された災害大国である日本発祥の概念で、世界的にも注目されている考え方です。
参考:週刊粧業 【フェイズフリー化粧品・ウォーターレス化粧品】市場規模・最新トレンド
トレンド予測⑦ 「フェムケア」市場が迎えるターニングポイント
2020年頃から注目されてきた「フェムケア」ですが、事業で成功している会社は、単に商品を売るだけでなく、女性の身体についての情報を発信したり、女性の消費者に寄り添うような丁寧なコミュニケーションをとっている傾向があります。しかし、どの会社でも同じようなことを実践するのは容易ではなく、フェムケア界隈には次なる革新的な戦略が求められており、今後の各社の展開に注目しています。


「酷暑コスメ→ふき取りミスト」「デリケートゾーン用化粧品→毛髪ケア、更年期ケア化粧品」「フェムケア訴求→敏感肌へのデオドラント訴求」「若年層の性教育と合わせたフェムケアの啓蒙」など、従来の「フェムケア」に縛られ過ぎない発想の転換が各メーカーの腕の見せ所になりそうです。
トレンド予測⑧ 続・スキニフィケーション

「頭皮のスキンケア化=スキニフィケーション(Skinification)」が数年前から世界的に注目されており、日本でも頭皮以外への広がりをみせるなど、業界での注目度が高まっています。ただ、フェムケアと同様に、ある程度の知識や体感がないと有益性に気づきにくい面があるためか、なかなか広がり切ってはいない印象です。
しかし、頭浸浴などがまた韓国で流行りだしている背景などから、今後も潜在的ニーズは続くと考えられます。
まだ圧倒的No.1のいないこの分野において、消費者が使用実感を得られるような新しい目線のスカルプケアアイテムを生み出すことができれば、トップセラーになれる可能性を秘めていると考えられます。

まとめ
近年、美容業界も多様化が進み、国内化粧品市場の競争が激化してネットの広告費がますます高騰しているという声をお客様やマーケティング会社様からよくお聞きします。そのような中でも堅調な売り上げの会社に共通しているのは、会社の規模に関わらず、顧客と密なコミュニケーションをとり、ファンの育成に力をいれていることだと感じます。
特定の1人(n=1)に注目して潜在ニーズを掘り下げていく“N1マーケティング”系統のセミナーもこの1年でぐんと増えており、2025年は大手メーカーにおいても、一般的ではない使用方法のアイテムながら、マス戦略ではなくターゲットを絞った戦略により成功したという事例も見られました。
トレンド予測も媒体や切り口によって様々な見方ができる今の時代においては、トレンドをひとつに絞ることは非常に困難です。そこで、いかにトレンドの種を選び取り、独自性を生み出してファンをつかむことができるのかが、今後の商品開発においてとても大切になっていくのではないでしょうか。
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そこでキャッチした話題やホットなテーマについて、外部のコスメティックプランナー恩田雅世さんと定期的にトーク&ディスカッションする時間を設けています。“OEM企業ならではの視点”で深掘りしたり、ブームの背景を探り商品やトレンドを分析、さらには、少し先の未来を予測してみたり…!4名の座談会を元に記事化しています。
登場人物プロフィール
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恩田雅世 コスメティックプランナー。 数社の化粧品メーカーで化粧品の企画・開発に携わり独立。 現在、フリーランスとして「ベルサイユのばらコスメ」開発プロジェクトの他、様々な化粧品の企画プロデュースに携わっている。コスメと女性心理に関する記事も執筆している。 |
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ホシケミカルズ広報S ヘルスケアアイテムのBtoC広報を経て、 販売時の切り口や訴求点とともに、理性(技術や理論)と感性( |
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ホシケミカルズ商品企画Y ホシケミカルズでは異色の化粧品メーカー研究部門出身という企画 化学の豊富な知識や知見に基づき、 |
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ホシケミカルズ販促M 販促担当としてメルマガや動画の撮影& 前職での複数のソーシャルメディア運営実績を活かし、 |





