1.ビューティ界隈で求められる「マルチケア訴求」
近年、スキンケア・メイクアップ・ヘアケア等のジャンルを問わず、商品が”マルチ化”している傾向があります。
ドラッグストアからハイブランドのコスメまで、ひとつのアイテムで複数の悩みをケアできる“マルチタスクのコスメ”が増えています。Z世代を中心に“タイパ”の良さが求められているのも人気の秘密かもしれません。ただし、多機能なら何でも良いわけではなく、「使用感」はもちろん「消費者の需要」「デザイン性」「ブランドの世界観」などのマーケティング要素も大変重要になってきます。
そこで今回は、物価高でも化粧品への投資を惜しまず、多少値段が高くてもケアを“投資”ととらえて“腹落ちする”高機能コスメを求めている消費者が増えている背景も鑑みて、今後さらなる市場の拡大が見込まれるユニークでマルチな機能性を訴求した日焼け止めなどの「UVケア」と化粧下地・ファンデーションなどの「ベースメイク」に着目して考察していきます。

近年頭皮ケアで注目されつつある「スキニフィケーション」ですが、基本機能にスキンケア機能をプラスするという意味ではUVケア・ベースメイクにおいても訴求できるかもしれません💡
2.近年のUVケア・ベースメイク市場動向
新型コロナ5類移行による脱マスクや、外出機会の増加、猛暑の影響などにより、UVケア・ベースメイク市場が回復&活発化傾向にあります。
最近の商品特性としては、“化粧下地効果を併せ持つ日焼け止め”が増加し、化粧下地との境界線が非常に曖昧になっていることが挙げられます。
また、UVケア・ベースメイクはその基本機能に加え、スキンケア効果やメイクアップ機能、仕上がりの良さなど様々な面で高い品質の商品が求められるようになり、プレステージブランドが市場を牽引しています。そして、その影響によりUVケア・ベースメイク商品の単価アップが進むとの見方もあります。
消費者においては、肌負担の軽減や猛暑によるメイク崩れの懸念などから、素肌ケアに力を入れUVケア・化粧下地のみで仕上げる“ノーファンデ層”と、スキンケアの延長のような美容液感覚のファンデーションを使用する“ケアファンデ層”の2大派閥が発生してきましたが、どちらも“常にお肌をケアしていたい”というニーズは共通しています。素肌美の追求と、紫外線防御をどのように両立させるのかは今後も注目されていくものと考えられます。
そのような関心の高まりもあってか、UVケア・ベースメイクについてはミストタイプやスティックタイプなど、形状が特殊な商品が台頭してきているのも印象的です。ヘアケアでは、紫外線をカットし、ヘアカラーの色落ちを防ぐ新商品など、斬新な切り口の商品も見られ、今後もユニークな訴求に注目です。
3.UVケア・ベースメイクの商品開発ポイント
“ユニークさ”という点で調査すると、ファンデ―ションよりもUVケア・化粧下地の方が多い印象があり、これからの商品開発においては、UVケア・ベースメイクの基本機能に加えてプラスαの訴求で他社との差別化を図ることが大切です。
例えば、UVアイテムにおけるプラスα訴求には以下のようなものが挙げられます。
<日焼け止め機能以外の訴求例>
- スキンケア機能 : 保湿、美白、エイジングケア など
- 化粧下地機能 : カラーコントロール、毛穴・肌補正、化粧持ち など
- 抗環境ストレス機能 : 花粉・ちり、PM2.5などの環境ストレスから肌を守る など
- 制汗機能 : 汗とニオイを抑える有効成分配合 など
- 特殊形状 : お直しクッション、スティックタイプ、ミストタイプ など
※弊社で対応できない場合もありますのでご了承ください。

下地機能については明確な定義はありませんが、メーカーによっては保湿・日焼け止め機能だけでも化粧下地として扱うこともあるようです。
4.最短で商品化が可能なODM品(SPF・PA試験済み)
ホシケミカルズでは、ユニークな訴求ポイントを持つすぐにご提案可能なUVケア&ベースメイクアイテムを多数ご用意しています。
実は、日焼け止め訴求に必須のSPF・PA試験は、高い費用と長い試験期間を要するだけでなく、望み通りの数値が出るとは限りません。ホシケミカルズの試験済み処方を採用していただくことで、大幅なコストカットと時間短縮が実現します。
制汗&化粧下地訴求「薬用制汗クリーム」
保湿ケア訴求「ヘパリンUVクリーム」
美白ケア訴求「薬用美白UVクリーム」
美白&化粧下地訴求「薬用ブライトニングベース」
お直しクッションアレンジも可能「日本製クッションファンデーション」
5.まとめ
ひと昔前、「日焼け止め」は肌を紫外線から守るもの、「化粧下地」はファンデーションのノリや仕上がりをよくするもの、と棲み分けがされていた印象がありましたが、最近では両者の境界線が曖昧になり、両方の機能を兼ね備えた商品が多く見られます。
高機能UVケア・ベースメイクがヒットしている背景には、消費者さえも気が付いていないインサイト(潜在的な要求・動機)を的確に捉え、異常気象などの“日常の変容”をも商機として対応している化粧品メーカーの開発力の賜物だと感じました。
ただし、商品が高機能になっても、誤った使い方だと効果が半減してしまうので注意が必要です。
日焼け止めの効果を保つためには十分な量を2~3時間ごとに塗りなおすことが推奨されており、ウォータープルーフであっても汗や水を拭いた時などの摩擦や動作により日焼け止めが落ちてしまうことがあります。塗りなおす際も、しっかりと肌表面の水分をふき取ってから塗らないと、ムラになってしまうので、気を付けたいところです。
また、「高機能のUVケア・下地を使っているから安心」だと油断させないよう、正しい知識を得ながら商品を使うことではじめて本来の機能が発揮されるということを、改めて消費者の皆さんへきちんと伝え、知っていただくことが大切だと感じました。
(執筆者:恩田雅代)
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そこでキャッチした話題やホットなテーマについて、外部のコスメティックプランナー恩田雅世さんと定期的にトーク&ディスカッションする時間を設けています。“OEM企業ならではの視点”で深掘りしたり、ブームの背景を探り商品やトレンドを分析、さらには、少し先の未来を予測してみたり…!4名の座談会を元に記事化しています。
登場人物プロフィール
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恩田雅世 コスメティックプランナー。 数社の化粧品メーカーで化粧品の企画・開発に携わり独立。 現在、フリーランスとして「ベルサイユのばらコスメ」開発プロジェクトの他、様々な化粧品の企画プロデュースに携わっている。コスメと女性心理に関する記事も執筆している。 |
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ホシケミカルズ広報S ヘルスケアアイテムのBtoC広報を経て、 販売時の切り口や訴求点とともに、理性(技術や理論)と感性( |
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ホシケミカルズ販促M 販促担当としてメルマガや動画の撮影& 前職での複数のソーシャルメディア運営実績を活かし、 |