1.水素商材の最新市場動向
2024年の水素商材の市場規模は、2年連続2ケタ成長を遂げているという調査もあり、ここ数年、熱視線が向けられています。2023年には医療分野において、日本の教授らにより「水素吸入療法」の有効性を確認した論文が国際的な学術誌で発表され、注目を集めたこともきっかけのひとつと捉えることができます。
また、2025年5月には“東京都産グリーン水素”を利用した化粧品製品を製造する事業者を東京都が募集するなど話題が絶えません。
ビューティ&ヘルスケア関連では、水素吸入器、水素サプリ・コスメ等は伸長していると言われ、右肩上がりの伸びをみせています。
対面販売(主要チャネル)がコロナ前の水準に戻ったこともあり、ジム・エステサロン・理美容室などでの水素人気が再燃し、美容マーケットへの浸透を加速させています。
2.水素の性質と期待される働きとは
「水素」は、宇宙で一番小さく、また最も多く存在する原子です。
※代表的な抗酸化成分と分子量を比較
その水素が美容目的で最も期待される作用としては、活性酸素と反応して水に変換する“抗酸化作用”があげられます。
加齢、紫外線など様々な要因で発生し、肌変化の元凶となる“活性酸素”を無害化する性質があることから幅広い肌悩みケア成分として注目されています。
さらに、ヘアカラー剤に活性酸素の1種である過酸化水素が使われる背景も一因にあり、近年では特にヘアトリートメント剤に配合した事例が見られました。

水素は非常に小さく、容器の材質によっては抜け出てしまうためアルミなど包材の材質にも注意が必要です。
3.水素を使ったビューティ&ヘルスケア商材(サービス)の市場動向
(1)水素コスメ
エアゾールや使用前に混ぜる2剤式を中心として、化粧水・乳液などの保湿アイテム、パック、クレンジング、入浴剤などの商品が市場に多く見られました。
若年層にも人気がある「炭酸ガス」ほどの認知度はまだありませんが、美容室を中心に広がっていた水素ヘアトリートメント施術が、最近ではマス向けヘアケアブランドからホームユースの水素トリートメントとして発売されており、「水素」配合商品も一般化の兆しが見えはじめています。
(2)水素サプリ
市場を見てみますと、水素化粧品よりも水素サプリのような健康食品の方が多い印象でした。
近年では「睡眠の質を高める機能性関与成分」として「水素分子」が認められた機能性表示食品のニュースも注目を集めました。代表的な販路としては、魅力を直接伝えやすいクローズドマーケットが人気です。
(3)その他
フィットネスジム、企業のオフィス、自宅などにおける水素水サーバーの導入を身近に感じる一方で、水素を直接吸入する機器がサロンなども展開されている様子が見受けられました。
4.水素コスメ&サプリの商品開発について
市場を見ると水素の化粧品への配合方法は大きく3つが想定されます。
まずは、どのような形で水素を活用したいのかを明確にすることが大切です。
- エアゾールの噴射剤として水素を使う
- 2剤を混ぜて使用時に水素を発生させる
- その他の特殊技術で水素を封入する
実は、ホシケミカルズでは10年以上前の2014年頃から水素に着目し、スキンケアから健康食品(サプリメント)まで手掛けてきました。以下のようにすぐにご提案可能な美容視点の水素アイテムのODM品をご用意しています。
水素エアゾール(一般的なものから特殊な製造方法まで)

エアバッグを使用した独自技術の水素パック

実はコスメよりも実績がある健康食品


”肌や毛髪”の抗酸化は化粧品の効能として認められていないため、美容作用として「抗酸化」をそのまま訴求はできません。
水素コスメを販売する際は広告訴求方法も視野に入れた開発が重要です。
5.まとめ
“水素”への注目が集まる一方で、怪しい情報・商品には注意が必要です。
2016年に国民生活センターが「容器入りおよび生成器で作る、飲む水素水」という調査報告書を発表しましたが、発表された内容は、水素自体が検出されない商品が多くあり、水素が記載された表示より少なかった商品もあったということでした。
水素は、常温で無色・無味・無臭のため、配合されているか簡単にチェックすることはできません。買う消費者側も、容器、口コミなどをきちんとチェックしてから購入することをおすすめします。
世界的な水素ブームに加え、東京都も独自に水素ビジネスを支援するなど「水素」を取り巻く環境は追い風となっているのは間違いありませんが、せっかくの追い風を消費者の不信感に変えないように、メーカーが消費者に誠実な商品作りをすることが、この令和の“水素ブーム”をブームで終わらせない秘訣なのではないかと思います。
(執筆者:恩田雅世)
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そこでキャッチした話題やホットなテーマについて、外部のコスメティックプランナー恩田雅世さんと定期的にトーク&ディスカッションする時間を設けています。“OEM企業ならではの視点”で深掘りしたり、ブームの背景を探り商品やトレンドを分析、さらには、少し先の未来を予測してみたり…!4名の座談会を元に記事化しています。
登場人物プロフィール
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恩田雅世 コスメティックプランナー。 数社の化粧品メーカーで化粧品の企画・開発に携わり独立。 現在、フリーランスとして「ベルサイユのばらコスメ」開発プロジェクトの他、様々な化粧品の企画プロデュースに携わっている。コスメと女性心理に関する記事も執筆している。 |
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ホシケミカルズ広報S ヘルスケアアイテムのBtoC広報を経て、 販売時の切り口や訴求点とともに、理性(技術や理論)と感性( |
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ホシケミカルズ商品企画Y ホシケミカルズでは異色の化粧品メーカー研究部門出身という企画 化学の豊富な知識や知見に基づき、 |
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ホシケミカルズ販促M 販促担当としてメルマガや動画の撮影& 前職での複数のソーシャルメディア運営実績を活かし、 |