いざ「化粧品を創りたい!」と思っても、数多あるOEMメーカーからどこの会社を選んだらいいのか、どんなアイテムを創ったらいいのか、頭を抱える企画担当者が多いのではないでしょうか。
そこでコスメティックプランナー恩田雅世が、外部ならではの視点でホシケミカルズ担当者に切り込み、商品企画のヒントとなるようなトレンド情報や美容の潮流、さらにOEM/ODMの深部にぐぐっと迫る対談企画。他では聞けない裏話もこっそり聞いちゃいます!
登場人物プロフィール
恩田雅世 | ホシケミカルズ広報S | ホシケミカルズ商品企画Y |
コスメティックプランナー。数社の化粧品メーカーで化粧品の企画・開発に携わり独立。現在、フリーランスとして「ベルサイユのばらコスメ」開発プロジェクトの他、様々な化粧品の企画プロデュースに携わっている。コスメと女性心理に関する記事も執筆している。 https://onda-media.com/ |
ヘルスケアアイテムのBtoC広報を経て、 販売時の切り口や訴求点とともに、理性(技術や理論)と感性( |
ホシケミカルズでは異色の化粧品メーカー研究部門出身という企画 化学の豊富な知識や知見に基づき、 |
最近、「ヘパリン類似物質」を配合した商品のCMや広告をよく目にします。人気タレントを起用して大々的な宣伝もしていますね。
健康保険組合連合会(健保連)が公表した分析結果によると、15年9月までの1年間と、16年9月までの1年間を比べると、「ヘパリン類似物質」などの医療用保湿剤の処方量が増加していることが判明しました。美容目的の処方は公費である医療費の増加につながる社会問題として厚生労働省へ提起されました。
2017年に保険適用の除外や処方規制が検討されましが、患者や学会の反対により見送られた経緯があります。
そもそも、なぜ「ヘパリン類似物質」がもてはやされるようになったのでしょうか。
ネットや口コミで「高級クリームより安くてお肌に良い!」と話題になり「ヘパリン類似物質」を配合した医療用医薬品を皮膚科で希望する方が増えたんです。
これにより、社会保険料の増加につながり、本当に必要な方のための社会保険として役割を果たせなくなる恐れが出てくると問題になりました。
そもそも「ヘパリン類似物質」とは、どのようなものなのですか?
医療用医薬品の保湿剤です。⼈の肝臓で⽣成される糖類の⼀種である「ヘパリン」と似た成分で、保湿のほか血行促進や抗炎症作用があり、アトピー性皮膚炎や肌荒れ、乾燥による皮膚疾患などの治療薬として患者さんに処方されてきた成分です。
本来は皮膚疾患治療のために開発されたものですが、保湿効果に優れ医療保険で安価に手に入れることができることから、欲しがる人が後を絶たないというのが現状のようですね。
そのような背景があって、製薬メーカーや化粧品メーカーが開発した、消費者自身で購入できる「ヘパリン類似物質」を配合した商品に注目が集まっています。
すでに発売している商品を調べてみると第2類医薬品と、医薬部外品がありますね。
普通の化粧品としては配合できないのでしょうか?
はい。「ヘパリン類似物質」は、医薬品や医薬部外品にしか配合できない成分なんです。
御社では製造することは可能なのですか?
はい、OEMメーカーの中でも「ヘパリン類似物質」を配合した商品を製造できる企業は、 まだまだ少ないのですが、弊社では医薬部外品としての開発・製造が可能です。
開発できるメーカーが少ないことからも想像できるかと思いますが、開発はとても大変でした・・。
「ヘパリン類似物質」を配合した商品を作りたいという方にはまさに朗報ですね。
「ヘパリン類似物質」を配合するというだけでなく、化粧品を開発・製造してきたOEMメーカーだからこそできる、使い心地の良さを追求したアイテムを提供していきたいと考えています。
それは、楽しみですね。
「ヘパリン類似物質」配合品は医薬品、医薬部外品というカテゴリーでしか発売できないので、効果感を期待して購入される方が多くいらっしゃると思いますのでこだわりたいですね。
そもそも化粧品では保湿効果を当たり前のように謳ってきましたが、肌実感として潤いや肌の保湿感を感じていない方が実は多くいらっしゃるのではないかと、感じました。
スキンケアの基本である保湿ケアをきちんとすることで、乾燥による小じわやくすみの発生も防ぐことができるので、実は「保湿ケア」は非常に重要なステップなんですよ。
初心にかえって、保湿を見直すケアを私もしてみたくなりました。
「ヘパリン類似物質」が医療用医薬品としてだけでなく、医薬部外品として配合されることにより、医療用ではこだわることの少なかった、おしゃれで使い勝手のよいパッケージや心地よいテクスチャーなど、より消費者のニーズに応えようとする商品が増えてくるかもしれませんね。
弊社では、ご希望の香りを付与することもでき、医薬品とは違った訴求が可能です。
確かに、あるメーカーは「ヘパリン類似物質」配合シリーズのトライアルセットを発売していて、医療用医薬品ではありえなかったアプローチを展開しているな、と感じました。
まだバリエーションは少ないですが、オールインワン的アイテムや泡状の化粧水なども市場で見受けられました。化粧品業界ならではですよね。
使うのが楽しくなるような形状やパッケージに加え、機能面でも保湿だけでなく、ハリや乾燥小じわのような初期アンチエイジングのケアもできるのもうれしいですね。
医薬品では配合できなかった様々な植物エキスなども医薬部外品では配合できるので、そのあたりもぜひ注目していただきたいです。
コロナ禍においても、スキンケアの売り上げは上がっているようなので、皆さんお肌にお悩みを抱えていらっしゃって、こういう時だからこそお肌をきちんとケアしようというマインドになっているのかもしれません。
コロナ禍において、マスク荒れでお肌が敏感に傾いたり、ストレスによる原因不明の肌不調と戦っている方も多いと思います。
そのような方のためにも「ヘパリン類似物質」配合品を始めとした、
“withコロナ”にも対応した商品もご提案していきたいです。
御社でも「ヘパリン類似物質」を配合した医薬部外品の受注を開始される予定とのことで、楽しみにしています。反響などもまたお聞かせください。
本日は、「ヘパリン類似物質」について詳しくお話を聞くことが出来ました。ありがとうございました。
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